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zoom RSS 「東京ブラックアウト」

<<   作成日時 : 2016/01/20 21:04   >>

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 小説「東京ブラックアウト」を読みました。もし、原発再稼働のウラで、この小説に書かれているようなことが行われているのなら、国民は憤りを感じるのではないでしょうか。

 国の原子力政策の内実、矛盾を含んだままの避難計画、政治家の裏に潜む電力マネー(鼻薬)などがリアルに描かれています。本の帯には、元財務省官僚で現在嘉悦大学教授の高橋洋一氏が、「この小説は95%ノンフィクションだ!! 日本中枢で進行中の陰謀を見事に活写している。驚愕の結末は元官僚の私にも想像できなかった!」と述べられています。
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 著者は、若杉 冽 :東京大学法学部卒。現在、霞が関の省庁に勤務…とありますから、現職のキャリア官僚がこの小説の作者です。リアルなはずです。

 内容を少しだけ触れてみます。あとは皆さんが実際に読んで見られるといいと思います。たぶん「へぇー、そうなんか!?」と驚かれることでしょう。

 フクシマの原発事故以来、再稼働に反対する動きが活発になっています。しかしそこを再稼働にもっていく政治家、官僚、電力会社などが登場します。「再稼働さえ始まれば、どんどん消費者に電気を使わせる。『電力モンスター・システム』で電力マネーが潤ってくれば、その金で関係者を動かせる。覚せい剤と同じように、電力マネーは日本の政治システムになくてはならない存在になっている。一時的に原発が止まっても、電力マネーの力で復元力が働き、すべてはフクシマの事故前と同じように正常化される。このことを日本国民は全く理解していない」と、書かれています。

 また、自治体の避難計画については、先に再稼働した鹿児島県の川内原発の例をとって、「非現実的な計画で住民からの不安の声が上がっている」とし、自家用車での避難が前提だが高齢者は長距離の運転が難しい、またバスの避難にしても山間部の道路は狭く、大型バスの通行は難しい。道路は渋滞しスムーズな避難は無理だ」と。高浜原発に近接する各自治体の現状も、まさにこの通りだと思います。

 そして、やがて関東平野に近い日本海側の、再稼働された原発でメルトダウンという過酷事故が再び起こります。大雪の大みそか、関東山地の奥深く、某国の工作員が日本海側へと連なる鉄塔をダイナマイトで爆破します。何の防護も施されていない鉄塔が倒壊し、原発が緊急停止。非常用電源で冷却するもバッテリー電源の残量が減少。ディーゼル発電機を始動させようとしたが、気温低下でエンジンがかからない。外部電源車の出動も多量の積雪で人員が到達できず、時間経過とともにメルトダウンへ。

 住民は乗用車で一斉に自宅を飛び出していったが、数十分で周辺の道路は大渋滞。もちろんバスも渋滞に巻き込まれて来ない。やがて高レベル放射線によって住民は…。メルトダウンした時の状況がつぶさに表現され、実際にこうなるであろうことが想像できます。

 ついに、放射性プルーム(放射性雲)が関東平野を襲います。首都東京はどうなるか。ブラックアウトです。

 私は、姉妹編ともいうべき「東京ホワイトアウト」も読んでみました。同じ著者です。こちらもまさに、「現役キャリア官僚が書いたリアル告発ノベル」です。ベストセラーになっています。

 ところで、高浜原発の再稼働がすぐそこに迫っています。諸事情を考え合わせれば、当面再稼働はやむを得ないのではないかと思います。しかし近い将来は縮原発、そしていずれ脱原発へと向かうべきです。この小説を読み、高浜原発再稼働を前に、だからこそ原発に対する国の責任や安全性の確保、実効性ある避難計画、将来を見据えた的確なエネルギー政策などが、強く求められるのだと感じました。問題提起の多い小説です。

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